【完】幸せをくれたあなたに。
「ほんと、ごめんね」
「いいって。俺が勝手にしてることだし」
「でも……! 松井くん家私の家から遠いし」
それに、またお父さんに……。
そうだ。お父さんにまたなにか
「ごめん! 松井くん私もうだいじょう………おわっ!!」
最悪だ……
こんなとこで転ぶなんて。
そんな時、背後からクスりと笑う松井くんの声がした。
「これじゃあ、大丈夫じゃないね?」
カァッと顔が赤くなるのがわかる。
「ほ、ほんとに大丈夫だか……ら」
え?
なぜか松井くんが私の左手を握る。
首を傾げていると、松井くんが口を開けた。
「また転ばれたら、俺が周りに恥かいちゃうから手握っていようね?」
クスクスとさっきより笑う松井くんに、私はまた顔が赤くなった。