【完】幸せをくれたあなたに。



「ほんと、ごめんね」


「いいって。俺が勝手にしてることだし」

「でも……! 松井くん家私の家から遠いし」


それに、またお父さんに……。


そうだ。お父さんにまたなにか


「ごめん! 松井くん私もうだいじょう………おわっ!!」



最悪だ……

こんなとこで転ぶなんて。


そんな時、背後からクスりと笑う松井くんの声がした。


「これじゃあ、大丈夫じゃないね?」

カァッと顔が赤くなるのがわかる。


「ほ、ほんとに大丈夫だか……ら」


え?

なぜか松井くんが私の左手を握る。


首を傾げていると、松井くんが口を開けた。


「また転ばれたら、俺が周りに恥かいちゃうから手握っていようね?」


クスクスとさっきより笑う松井くんに、私はまた顔が赤くなった。








< 40 / 204 >

この作品をシェア

pagetop