【完】幸せをくれたあなたに。
信じる勇気
勇気
──ガラガラ
翌朝、いつも通り学校に着いた。
片手でかばんを持ちながら、ドアを開ける。
「うっわー、ダサ子登場だ」
「いやあ、いつ見てもマジブスだわ」
一瞬立ち止まった私だけれど、相手にせず顔色一つ変えないまま席に着いた。
正直、こんなこと言われて傷つかないと言ったらウソになる。
でも、私にとって、あの時の痛みと比べれば……
──キーンコーンカーンコーン
そんな時、予鈴が鳴った。
私は、ハッ!と我に返った。
「じゃあ、教科書26ページを……」
授業が始まっても、先生の声なんて耳に入ってこなかった。