【完】幸せをくれたあなたに。
ぶつかった衝撃で、思わず手を放してしまい、教科書がバラバラに散らばった。
「ご、ごめんなさい!!」
相手は、声からして女の子だった。
慌てた様子で、私の教科書を拾った。
私にとっては、それが衝撃的だった。
だって、みんな私のことを悪く言う人ばかりで、まさか教科書を拾ってくれる人なんているんだなあ、と思った。
私も一緒に教科書を拾った。
「ありがとう」
お礼を言い、立ち上がろうとした時
「あの……っ!!」
少し高めの声を大きく出した女の子。
私は、突然女の子に呼び止められた。