【完】幸せをくれたあなたに。
「てめぇ、ケンカ売ってんの?」
「ただ、可愛い藍那に嫉妬してるだけでしょ」
「……っ、ふざけんのもいい加減にしろよっ!!」
大きな声を出して、怒鳴る日焼け野郎。
「それが当たってるからムカついて怒ってるんでしょ」
私もさっきより少し大きめの声で冷静に答える。
「あ? もっかい言ってみろよ」
「いっ……!!」
突然、ぽっちゃりが私の髪を思いっきり引っ張ってきた。
「はははっっ!! 髪抜けんじゃね?」
ぽっちゃりの後ろで、笑って言う。
そして、周りもつられて笑う。
「しっ……としてる……から」
私は負けたくなくて、もう一度言おうとした。
でも、どんどん髪を引っ張るぽっちゃりの手が強くなるばかりで。
痛さのあまり目から涙が出てくる。
こんなとこ、見られてたまるか───……
と、そんな時
「うっ……!!」
私の髪を引っ張っていたぽっちゃりの手が、そんな声とともに離された。