【完】幸せをくれたあなたに。
美形くんが、誰を待っているのかは、大して興味はない。
今日は、委員もなく、雑用を押しかけられないかと思うと、気が楽だ。
帰ってアイスが食べたいな。
……よし、こうなったら早く帰らなきゃ。
下駄箱で靴を履きかえてると、門のところにいる美形くんが、また目に入った。
それにしても、通っていく女の人みんなが振り返っては、見る。
凄いなあ……。
なんか通りにくいけど、アイスのためだ。
私は、意を決して歩いてく。
だけど、
「あー!! 今日の子だ。やっと来た!」
──ギクッ……
私は、ゆっくりと顔を上げてみると、パアッ!と笑顔でこっちを見ている美形くん。
女子の視線が、一気に私へと寒気をさす視線を向けた。
いや……これって、私に向けられてる? よね……?