【完】幸せをくれたあなたに。
「ご、ごめんなさい」
「いいよいいよ。俺、篠田遥生(シノダ ハルキ)。遥生でいいから、名前で呼んで?」
「えっと、はい」
「ここ、学校だし他で話さない? アイスは奢るから! 俺怪しい奴じゃないよ」
あ、まだ学校か。
男の人と2人。
悪い人じゃないってわかってるけど、昨日会ったばっかりの人だし……
黙っていた私に
「わー。疑ってますってわかりやすく顔に書いてるね」
「まあ、はい。疑ってるんで」
「素直だねえ。昨日助けてあげたのに……」
最後の声が、突然呟くように小さくなっていた。
「はあ。わかったので移動しましょうか」
そう言うと、遥生くんはお決まりの、ぱあっ! と笑顔になった。