【完】幸せをくれたあなたに。
それから、授業中なにも頭に入らないまま、早い早い昼休みになった。
「琴、あのね」
いつもの校舎裏に、弁当を持って藍那の隣に座った。
藍那は、私を見て真剣な顔つきになった。
「うん」
「わ、わたしっ! その……」
俯きながら、ソワソワと話し出す。
「……うん?」
私は薄々気づいていたけれど、次の藍那の言葉に耳を疑った。
「ま、まついくんのことが、好きなのっ!!」
「そ、そう……」
なぜ私が動揺しているのかは、わからない。
でも、
「なんで、私に言うの?」
わざわざ私に言う理由がわからない。
「えっ……と、私たちって友達でしょ? だからそういうことは、隠し事なしで全部言いたい?っていうか……」
隠し事なし……か。