【完】幸せをくれたあなたに。
照れるように話す藍那。
だけど、私には隠し事をなしにはできない。
今ですら、病気のこととか隠し事をしているのに。
ごめんね、藍那……。
心の中で藍那に謝り、お昼を食べて教室に戻った。
藍那が、松井くんを好き……か。
……でも、突然なんで?
「はあ……」
小さくため息をつくと、
「三浦さん、どうかしたの?」
想像もつかないことに、松井くんが小声で話しかけてきた。
「へっ……? え、いやなにもないよ」
戸惑いながらも、返事をすると、松井くんはフワッと優しく笑って
「そっか」
そう言って、ノートをとった。