【完】幸せをくれたあなたに。
藍那が、松井くんを好き。
それはそれで、別に私はどうでもいいはずなのに、心がモヤモヤする。
私は……、このモヤモヤの意味を、知っている──…
だって、このモヤモヤは……
「……と、琴ってば!!」
「うわっ!! はへ?」
「はへ? じゃないよ!! 授業終わってるよ」
ぼーっとしている間に、授業が終わったのか、藍那が私を見て頬を膨らませる。
「あ、ごめん」
「今日一緒に帰れない?」
「今日は委員があって……」
「そっか。それより、少し聞きにくいんだけど」
「ん?」
「松井くんと、なに話してたの?」