【完】幸せをくれたあなたに。




「あ、おい三浦」

私を呼ぶ声が聞こえ、姿勢を正して声のしたドアを見つめた。


「先生」


入ってきたのは担任だった。

資料を片手に抱えながら私に話しかけた。


「松井はまだか……。まあいい。もうすぐで文化祭が始まるんだが」


「もうですか。早くないですか?」


「ああ。なんだかわからんが、もう決まってしまってな」

「そうですか」


少し早い気もするけれど……

それにしても、文化祭か。


「まあ、そういうことだから、松井が戻ってきたら伝えてくれ」

「はい」


「それから、この資料を見て2人で話し合ってくれ」


「わかりました」

席を立ち、先生から資料を受け取った。


先生が教室を出て行った後、また1人私はポツりと席に座る。





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