【完】幸せをくれたあなたに。
文化祭準備
自分の気持ちに気づいたあの日、少ししてから松井くんが戻ってきた。
泣いていた、とバレないようにしっかり涙を拭い、いつもと同じように接した。
でも、好きだと気づいてしまった以上、意識せずにはいられなかった。
だけれど、藍那は松井くんを好き。
じゃあ、この気持ちはどうしたらいいの?
これじゃあ、まるで“あの日”と同じだ。
『人の好きな人、取るなんて最低っ』
『ずっと、信じてたのにっ!!』
「はあ……はあ……っ」
昨日のことを、思い出している途中、思い出したくもないことまで考えてしまい、息が荒くなる。
だめだ……。
思い出しては、だめ。
お願い。
収まって……。