【完】幸せをくれたあなたに。
ゆっくりと深呼吸をして、落ち着きを取り戻した。
私は開きっぱなしの教室に入った。
「琴、おはよ!!」
席に向かう途中、挨拶してきたのは藍那だ。
昨日のことがあって、なんだか少し気まずい。
とは言っても、藍那はなにも知らない。
「おはよ……」
とりあえず、返事だけして席についた。
昨日、藍那は帰ったんじゃないの?
あの時、松井くんとなに話してた?
考えれば考える程、嫌な方向へといってしまう。
授業中だというのに……。
私は、授業に集中しようと、首をブンブンと横に振った。
と、そんな時、