【完】幸せをくれたあなたに。
4限になると、文化祭の出し物を決めなくてはならない。
そのため、松井くんと教卓の前に立った。
まず、その1はルールからだ。
前に立つことは苦手だけれど、いつもより少し大きめの声を出した。
「えと、文化祭のことでなんですが……」
「きゃははっ!! なにこれ!!」
「いいでしょー」
「あははっ!!」
先生がいないということもあって、騒ぎ出すクラス。
はあ……。
正直、こうなると思ってた。
ほんと面倒くさい。
ふと、藍那のほうを見ると心配した様子で、口パクで“頑張って”と言ってくれた。
大きく息を吸った時、
「静かにしてくれる?」
隣から聞こえた低い松井くんの声。
初めてみんなの前で、少し大きな声を出し松井くんに、みんなの反応は、