この恋、きみ色に染めたなら
色なし……
というよりも、そもそもの話、自分の恋を色で例えたことなんてないから、突然そんなことを問いかけられても…
『なんで色ないわけ?
彼氏いんでしょ?』
先輩の鋭い目に見つめられながら、私は再度先輩から問いかけられる。
いる、いや居た。
それが正しいことになってしまったのは、本当に数時間前のこと。
…なんだけど。
『いや…彼氏には振られた身でありまして…』
『だから透明?』
間髪いれずに、そう問いかける先輩。
『だから…というよりも。
彼は自分の感情だけで生きている人でして…。
他にいいなと思う人が現れたらそのままふら~っといく人で…』
『だから?
てか前置きが長すぎ、俺そういう事細かな説明聞いてる程、暇じゃない』
どうしてこの人は人の話を最後まで聞かずに、途中で割りこんでくるのかしら。