この恋、きみ色に染めたなら
『単刀直入に言いますと!
彼と恋してる時、いつも泣いていたからです!』
もう比呂には振られるし?
しかも結構最低な台詞を吐かれての別れだったし?
自分で声をかけてきたくせに、なんか意味分かんないし!
今日の私の運勢は最悪なの?
私が勢い任せにそう答えると、先輩はクスッと笑った。
は?
今、この人、笑った?
クスって、そう笑ったよね?
『普通さ、泣くような恋って水色とか青とか、そういう寒色系の色で例えない?』
先輩は先程までの顔とは打って変わって、笑いを我慢しているような、そんな顔をしている。
私は先輩の言葉に、その様子に、首を傾げる。
『涙の色は無色透明、でしょ?
だから透明……あれ、おかしいかな?』
自分で言いながら、自分の答えに自信がなくなってきて。
さらに、もう一度、私は首を傾げた。