この恋、きみ色に染めたなら
『真理子さんと話していたら、先輩に会いたくなっちゃって…』
私の言葉に真理子さんは“若いな”って言って、クスクスと笑っていた。
そしてお会計をしようと財布を取り出すと、真理子さんは“試食で感想まで頂いたからいい”と言って笑う。
先輩と紗季さんとのことを教えてもらったし。
美味しいケーキもご馳走になって。
本当はちゃんと払わなきゃいけないのに。
『早く行かないと肇、帰っちゃうかもよ?』
そう言って私をお店の外に誘導した。
『本当に……すみません。
それから、本当にありがとうございました』
そう頭を下げると、
『頑張れ』
真理子さんはそう言って、見送ってくれた。