この恋、きみ色に染めたなら







ただ学校までの道を急ぐ。





私、長距離を一定のリズムで走ること、出来たかな…





息が切れて、足は縺れて、それでも私の体は“急げ、急げ”と言うように足を動かす。





マラソン大会なら疲れて休んでる、もしくは歩いてる、けれど先輩が絡むと私はこんなにも早く走れる。







『……はぁ…はぁ………』






辿り着いた学校、体育館の方から明りがもれていて、何人かのバスケ部の生徒がまだバスケを楽しんでいるのが目に入った。










『バスケ部がまだいるってことは…まだ学校は施錠されてないはず……』







私は急いで昇降口に向かって走り出した。





案の定、昇降口はまだ開いていて、見回りの先生がちょうど通りかかった時だった。









『……先生!』





私が見回りをしている先生を呼ぶと、ラッキーなことに美術部顧問の柳先生だった。









『あら、古里さん、こんな時間にどうしたの?』






『……あ、あの……私、美術室に忘れ物しちゃって…取りに行きたいんですけど!』





『美術室なら成田君が残ってるわよ』





『……先輩、まだ残ってるんですか!?』






『えぇ…さっき見回りで美術室に行ったら、成田君が最後のコンクールに出したい絵にとりかかりたいから少しだけ残させて欲しいって言われてね。

 私、今日は鍵当番だし、残ってる仕事もあったから9時までならって約束したの』







……先輩がいる。




美術室に、先輩がいる…!








『先生、ありがとうございます!
 忘れ物取りに行ってきます!』





柳先生にそう言い、私は校舎の中に入っていく。





















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