この恋、きみ色に染めたなら
*凪の決断と好きの涙
次の日-…
『紗希、どった?
どこ行くん?』
私の後を追いかけてくる凪は意味分からないという顔をしている。
私は振り向くこともなく、そのまま普段使われていない空き教室に向かって歩いていく。
『おーい!紗希?』
ちょうど凪に呼ばれたところで、空き教室の入り口に着き、無言で教室のドアを開ける。
突然開けられたドアに凪は首を傾げるも、私の顔を見て、その教室へと入っていく。
『ごめん……凪。
教室だと話しにくくて……こんなところまで……』
『いいけど、何、話って?』
ポカーンとした顔の凪を見て、私は深呼吸をする。
そして心臓を落ち着かせると、凪に向かって口を開いた。
『……うん。成田先輩とのことで……ちょっと……』
『えッ!!成田先輩のこと、落としたの!?』
私の言葉を遮るかのように、勢いのある凪の問いかけ…
その凪の喰いつきように、むしろ私の方が驚かされる。
『……ち、ちがうよ!
先輩が落ちたんじゃなくて、私が先輩に落ちたって話…!』