この恋、きみ色に染めたなら







『お手並み拝見、ということで。』





先輩は楽しそうに笑みを浮かべ、私を見つめる。










『私の事、取り返しのつかないくらい好きになっちゃっても知りませんから』




私も先輩を真似て、フンって鼻で笑う。








本当は紗季さんから私にどうやって振り向かせればいいのか、全く考えなんか思い浮かんでないんだけど…




不安なことばかりだけど、それでも先輩のこの笑顔をいつまでも近くで見ていたいから、だから出来ることから頑張っていこう。













『はいはい、じゃ、とりあえず靴に履き替えてこいよ』





先輩に言われ、まだ上履きのままだったと思いだす。









『あ、はい、今履き替えてきます!』



そう返事をするなり、私はダッシュで自分の靴が置いてある下駄箱に向かった。











< 160 / 324 >

この作品をシェア

pagetop