この恋、きみ色に染めたなら



『えっと、主人公が……』



先輩に“どんな話”と聞かれて、内容を話そうとしたところで気付く-…






『……えっと、主人公……』




この映画に出てくる主人公は学校一モテモテな男の子に恋をする。


相手の男の子はどんな女にも靡かない、それは忘れられない人がいるから。


けれど、その人はもう亡くなっていて…


その事実と男の子の想いを知り、それでもめげずに想い続けた主人公に男の子が振り向いてくれるって話。



そう、それはまるで…


作中の男の子は先輩みたいで…



あの頃は作中に出てくる男の子の想いが強く、あんなにも想われたら…なんて憧れのようなものもあったけど。




でも、あの男の子と同じ境遇の先輩にこのストーリーをどう説明すればいいのか悩む。






『どんな話?』



再度尋ねられ、私は、



『…純愛すぎるくらい純愛な作品です…』



…なんとか微笑みながら答えた…





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