この恋、きみ色に染めたなら




『先輩……本当に、紗季さんのことが好き……なんですね……』





結局、どんなに前を向こうと思っても、先輩の心の中にいる紗季さんを越えることは出来ない……



先輩の心の中にいる紗季さんを消すことは出来ない……








『やめるなら今じゃない?』



今にも先輩の紗季さんへの想いに押しつぶされそうになるのを必死に耐えながら、先輩を見つめる。






『紗希は俺みたいな未練がましい男なんてやめて、紗希を本気で好きになってくれる奴の方が幸せになれる』






私の幸せ……?




私の幸せなんか願わないでよ…







『……私は、未練がましい…そんな先輩を好きになりました…。

 先輩が好きです…だから…先輩にはそんなこと言われたくないです……』





先輩のことが好き-…



私の好きな人はあなただけ-…







『俺、紗希の前で“紗季のことが好きだ”って普通に言う。

 紗季の話だって沢山する、紗季のどんなところが好きかもお前の前で普通に言う。

 それでも、お前は俺を好きとか言えんの?

 お前がどんなに俺を好きとか言っても、漫画のように振り向かないかもしんない。

 それでも、お前は…』


『好きですよ、先輩が-…』



馬鹿みたいに、先輩が好き、それしかない。





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