この恋、きみ色に染めたなら







『……そうだったんですね、私は………』







私は成田先輩と……とは言えないな…。




別に彼氏彼女って訳でもないし、それにただの絵のモデルをやってくれたお礼に映画に付き合ってもらったとか説明しても、山科先輩以外にも人はいるしな…




学校で変な噂にされても、成田先輩を困らせるだけだし…












『……私も友達と』




『友達……成田先輩が?』






私の言葉を最後まで聞かず、遮ってくる山科先輩。




そして山科先輩が発した、“成田先輩が”の言葉にドキッとした。












『……え……あの…どうして………』






『俺らもさっきチケット売り場の列に並んでたから。

 そしたら前後にいた女の子たちが騒ぎ始め、列は乱れ、その中を颯爽と成田先輩と紗希ちゃんが通っていくのを見てましたからねー』







段々と棒読みになっていくのは、列を抜かされたことに対しての感情がそうさせているのかな…








『……すみません……』




私が謝罪すると山科先輩は私の頭をポンっと軽く叩いた。









『………いた……』







『でも紗希ちゃんだから許すよ。

 けど、一つだけ教えて。成田先輩と紗希ちゃん、どんな関係?』












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