この恋、きみ色に染めたなら
『サッカー部の山科先輩って知りませんか?
成田先輩同様にすごく女子から人気のある人なんで…』
『へー、紗希もあんな男が好みなんだ?
顔、真っ赤にさせて、嬉しそうな顔、してたしね』
………ん……?
何、この先輩の刺々しい言い方は……。
顔、真っ赤にさせて、嬉しそうな顔って……
そりゃぁ…成田先輩には劣るかもしれないけど、それでも学校で人気のある人にあんなこと、冗談で言われたら……
まぁ、一瞬ドキッとしたけど、やっぱり私は成田先輩がいい。
『先輩って、意地悪なこと聞きますよね』
『意地悪?』
『先輩が私の好みも、私の好きな人も知ってるじゃないですか。
私は先輩が好きなんだから、先輩が私の好みで、私の好きな人なんですよ?』
私の言葉に先輩は顔をこちらに向けたかと思えば、すごい驚いた顔をしていて…
『………先輩…?』
『………あ?いや相変わらず変な好みで、変な奴を好きになる、変な女だな…と、思って…』
……なんだ、それ?
変な好みって、変な奴をすきになるって、どちらも先輩のこと、なんだけれども…