この恋、きみ色に染めたなら
第4章
*マネージャーやってよ?
『そんで!?そんでその後は二人で映画を観たの!?』
私よりも学校に来るのが早い凪。
凪は私を見つけた瞬間に質問責め。
私は昨日のことを7割程度で凪に報告、返答していた。
そして一番最後の質問が“その後は二人で映画を観たのか”ってこと。
『………うん。』
私が答えると、凪は更に身を乗り出して聞きたいオーラを向けてくる。
『先輩は座席に着くなり、映画を真剣に観始めて…。私もその隣で観た…』
『……え、普通に?』
『……先輩は…うん、普通だったかな……。
私は…なんか微妙だったけど……』
凪にそう言い、私は自分の椅子に腰かける。
結局、あの映画ー…
私は途中から観れなくなっちゃったんだよね…
主人公が想いを寄せている男の子の好きな人が亡くなった場面で、ふと隣に座る先輩の顔を見たら、紗季さんが亡くなった時のことを思い出したのか、とても辛そうな顔をしていて…
その苦痛に歪むような顔を見ていたら、主人公の恋の行方とかどうでもよくなっちゃって…
『…………はぁ………』
思わず昨日の先輩の顔を思い出すと、ため息が出てしまう。
やっぱり、あの映画を先輩と観に行ったのは失敗だった。
『でもさ、成田先輩。
よく映画に付き合ってくれたよねー』
『……きっと思い出させちゃったよね……はぁ……』
『でも先輩だって分かってたでしょ?』
『…分かってた?』
私はそう言いながら首を傾げた。