この恋、きみ色に染めたなら
『凪……私…このまま先輩のこと、好きでいてもいいのかな…?』
私が先輩を好きだと想うのは、
先輩が紗季さんを好きだと想うのと同じで。
私が先輩を諦められない気持ちも、
先輩が紗季さんを諦められない気持ちと同じ。
それなのに、私は先輩に“好き”って言ってていいのかな……
『……私、先輩のこと…どうしようもないほど好きになっちゃった…。
けど……私は先輩を、先輩は紗季さんを同じく想っていても…。
私は先輩に好きだと言える、でも先輩は二度と言えない…。
私が好きって言う度に…実は先輩を苦しめてる気がして……私……』
そこまで言いかけたところで、教室の出入り口の方から、キャーという女子の歓声が聞こえてきた。
歓声、いや、それはもう悲鳴なのでは…という程に大きな声ー…
『……何…?』
凪は私から視線を反らし、歓声があがってる方を見つめた。
この歓声ー…
女子特有のこの歓声ー…
まさか…まさかの……
私は動揺と不安、そしてほんの少しの期待で凪が見つめる方へと視線を向けた。
そこにはー…