この恋、きみ色に染めたなら







『きゃー!!!!山科先輩よー!!』





教室と廊下の間に立っていた、一人のクラスの女子がそう叫ぶと、周りにいた女の子たちも一斉にその場所へと移動してきた。











『…や、山科先輩…!

 このクラスに何か…!?』




目をぱちぱちさせ、興奮気味にもう一人の女子が問いかけると、山科先輩はその子にニコリと微笑んだ。







微笑みを頂いた子は失神しそうな勢い、なのか…近くに居た子に支えられている。











『このクラスに古里紗希ちゃんっているかな?

 確かこのクラスだったと思うんだけど』





ニコニコと微笑み、そう問いかける山科先輩に、周りの女子の目が変わる。









『紗希ちゃんにどうしても話したいことがあってクラスに来てみたんだけど…』





先輩はそう言うなり、顔をキョロキョロと動かし、私を探してるー…











『…ちょ、どうして山科先輩が紗希を訪ねてくるのよ!』




凪が私の腕を突きながら問いかけてくる。





そう言えば成田先輩のことは話したけれど、山科先輩のことは話してなかった…




今から凪に………いやいや、間に合わない…。

















『紗希ちゃん、ちょっといい?』






だって、もう山科先輩が私の席にまでやってきてしまったからー…











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