この恋、きみ色に染めたなら
『紗希ちゃんは、ただ選手と一緒にベンチで応援してくれればいいから』
選手と一緒にベンチで応援……?
え、それだけ…?
『今、うちのサッカー部、結構いい感じなんだ。
今年の夏の大会もいい成績を残せそうな気がする。
そんな時だからこそ、勝利に導いてくれそうな応援が欲しいんだ』
それが、私……?
私は山科先輩の言葉に更に脳内に疑問が沸き起こる。
私も普通の人間だし。
神様でもない私の応援なんかで勝ち負けに影響するなんてこと、あり得ない…
『……でも私なんかの応援で…ってことはないと思いますけど…』
『なんで?』
今度は先輩がキョトンとした顔で、私に問いかけてきた。
『俺は紗希ちゃんの応援があれば、それだけで頑張れる気がする。
てか…紗希ちゃんが見ててくれてると思うとどんな局面が来ても諦めないで試合を楽しめると思うんだよね…。
ま、俺が紗希ちゃんに見てて欲しくて、マネージャーやらないか、誘ってるんだけど…』
山科先輩はそう言うと、少し照れたような顔でそう言う。
山科先輩の照れてる姿もそうだけど、そういう言葉を聞いただけで私も照れちゃうよ……