この恋、きみ色に染めたなら








『泣いてばかりだから………透明?』







それは比呂から別れを切り出された時、先輩に恋を色で聞かれた時に私が答えた色。




涙は無色透明、いつも泣いてばかりで、突然終わってしまった恋に私は透明と答えた。












『………先輩を好きになって、泣いてばかりです。

 届かなくて…叶わなくて……でも、透明…ではないです』











『…じゃ、何色?』









透明、じゃないー…





先輩を想う時、私は明るい色になったり、暗い色になったりする。





先輩の言葉で跳ね上がるような元気な色になれば、真っ暗闇にポツンと取り残されたように寂しい色にもなる。





先輩の行動で花畑のように綺麗な色になれば、太陽から遠ざかる天体がある場所のように酷く真っ暗な色にもなる。









私の心を支配する、先輩が私の恋に色をつけるー…








『……先輩色』






先輩が私の恋に色をつけていくんだよ。



先輩が私の恋を素敵な色にしていくんだよ。











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