この恋、きみ色に染めたなら







好き……





好き……





頬を少し赤く染める、その顔も。



言い逃げしていく、その広い背中も。






好きよりも大好き、大好きよりも……愛してる…。












『先輩!私、先輩のこと、大好き!』






高まった気持ちで、私はその広い背中に想いをぶつける。












『………ばーか。』




振り返って、そういう先輩の顔は笑っていて。



その笑顔を見て、私も胸が高鳴って、そして先輩に笑顔を向ける。












『……泣き顔でも笑顔でも、告白すんだな、お前。

 今度は違う方法で“好き”って言ってよ?

 そうしたら今度は完全にお前に落ちてやるよ』






先輩は階段の踊り場でそう言うと、そのまま踊り場から姿を消す。








……落ちてやる…か。


泣き顔と笑顔以外の方法って何だろう……。






でも、落ちてよ、先輩……。






ねぇ、先輩、私、先輩のこと、愛してるよ……?











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