この恋、きみ色に染めたなら








そしてお昼休みー…




私は山科先輩のクラスの前までやってきた。







自分のクラスから出る時から心臓はドキドキ言っていたけど。


教室の前まで来て、更に心臓のドキドキは速くなって……






私はそれを鎮めたくて、深呼吸をする。








よし、山科先輩に言うぞ……!











『あれ、紗希ちゃん?』





最初の第一声を出そうとしたところで、聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、私の視界には山科先輩が映るー…









『どうしたの?』



先輩は私に駆け寄ってきて、すぐ目の前に山科先輩は立つ。










『……あの…山科先輩にお話したいことがあって来ました…』




緊張の中、山科先輩に告げると、山科先輩は私の顔を覗き込むように見てくる。










『紗希ちゃんのその顔だと、俺にとってはあまりいい話じゃないか…。

 ちょっと場所を変えよう?』






山科先輩はそう言うと、そのまま廊下に出て歩いていく。



私もその後を追って、山科先輩が向かう方に歩いていく。



途中、通り過ぎる女子生徒の冷たい視線と男子生徒の好奇な視線を感じながらも私は山科先輩の後をついていく。









しばらく歩いて、辿り着いたのは何故か美術室ー…







『……山科先輩?』




美術室の扉の前で立ち止まる山科先輩に私は声をかけてみるも、山科先輩は返事することもなければ、振り返ることもないー…









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