この恋、きみ色に染めたなら

『………変えられない……。

　恋の始まりなんて気付けない位に成田先輩のこと…好きで……大好きになって……。

　先輩を諦めるなんて無理……先輩を想うのをやめるなんて無理……。

　先輩が振り向いてくれなくても…忘れられない人を想っていても……私はその想いよりずっと、ずっと先輩を好きだから……。



　傷ついてもいい、どんなに泣いてもいい……。

　私は……成田先輩を好きでいたい……！』









『………紗希ちゃん……』





私の言葉に山科先輩の顔が歪む。



でも私は言葉をやめないー…








『……成田先輩が好き……』










『なんで…そんな顔をしても成田先輩なの……？

　なんで……“なんで”の答えは俺が一番知ってるな……。

　けど、俺だって紗希ちゃんへの想いは、この恋は本気だよ…。


　紗希ちゃんが成田先輩を想うように、俺も紗希ちゃんが好きだ……』








山科先輩の言葉は、想いは、私もよく分かるー…




だって私が成田先輩に想うことと同じだもんー…






だから苦しい程、痛い程、山科先輩の言葉は分かるー……