この恋、きみ色に染めたなら

『…ってことで紗希、俺のことが好きなら。

　俺以外の男と仲良さそうにすんなよ？


　俺、結構……嫉妬深い、から』








先輩の手は首の後ろに添えられていて、少しだけ顔を赤く染めた顔でそういう先輩。









先輩が紗季さんを完全に忘れられなくても、


紗季さんへの想いを封印出来なかったとしても、


私、十分な対応を先輩にしてもらってるよね…？










先輩のあの言葉も、


先輩のあの顔も、


今まで知らなかった先輩も見れたんだから、


どの時の私も諦めずに想い続けていて良かった。












『……先輩、私、こういう風に言うのはおかしいのかもしれないんですけど。

　私、先輩が私に落ちてくれるのを待ってます……』





私の言葉に先輩は私の頭をポンポンと優しく触れてきた。










『健気、いや一途な子だよ、紗希は。

　ちゃんとお前とは向き合いたいと思うし、いい加減なことはしたくないから…

　もう少しだけ待ってて欲しい…』









『……ちゃんと向き合おうと思ってくれて、本当にありがとうございます。

　私、いつまでも待っています。だから先輩はゆっくり考えてください…』










『……分かった。』







たった一言の返事。




されど私はこの返事をちゃんと信じられる。







いつまでも、ずっと、ずっとずっと、私は待つよ、先輩？






先輩の答えが聞ける日をー………