この恋、きみ色に染めたなら






会いたい、会いたい……




そう思う気持ちに必死に耐え、そして放課後がやってくる。












『紗希ちゃん!』




その声と共に、無理矢理な約束だったけど、約束通りに迎えに来た山科先輩。









『………あの…。

 先輩のお誕生日をお祝いしたい女の子は沢山いると思います。

 先輩のお誘いなら喜ぶ人も多いと思うので…』







『俺、紗希ちゃんにお祝いしてほしいから』






山科先輩はそう言うと、私の手を掴む。







『じゃ、行こ!』




山科先輩は言い終わるかも分からないうちに私を手を引いて歩き始める。











『……あ、あの……!』







『何?』








『本当に今日、山科先輩の行きたい所でお祝いしたら、そしたら諦めてくれるんですよね…?』







祈るような思いで私は山科先輩に問いかけた。








『うーん…諦めるよ、多分ね』







山科先輩は顔だけ振り向くと、そう笑顔を撒き散らしながらそう返事をしてきた。












……多分って……。






てか、私、本当に山科先輩のお祝いなんてしていいの……?










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