この恋、きみ色に染めたなら







『………私………死んじゃった………。


 もう……先輩の傍にいられないのかな……いられないよね………死んじゃったんだもん……』









救急車が到着して、救急隊員の人が私を担架に乗せ、救急車の中に運び込む。




救急隊員の人が何か先輩達に話をしていて、成田先輩が救急車に乗り込む、すぐに救急車は走り始めた。




車内では救急隊員の人が成田先輩に事故の様子や事故直後からの私の様子等を聞き出していて、私はその横でただ、ただ眠る自分を見つめていた。





バイタルチェックをされる私は本当に眠っているだけのよう。

自分の寝顔なんて見たことないから、いつもこんな風に寝ているのかと疑問だけど。













『………あの……手を握っていていもいいですか?』




先輩は救急隊員の人に問いかけ、救急隊員の人は指に着けていた装置を外し、反対の手に付け替えてくれた。





先輩は装置を外された手を両手で握りしめ、そして先輩のおでこをそれらに当てた。











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