この恋、きみ色に染めたなら
何度も責める成田先輩…
その度に先輩の拳からは血が流れる…
それでも先輩は何度も、何度も壁を殴っていたー……
『……先輩のせいじゃないよ………』
そう言葉を発しても、先輩の耳には届かない……
どうしたら先輩に私の声を届けることが出来る?
どうしたら先輩に触れることが出来るの………?
『…………ごめんね………先輩…………』
私がそう呟いた時、看護師たちが私を運んでいく。
その姿を見た先輩はその後をついていく。
私もその後を追っていくも、ふと目に入った人物にその足を止めたー…
真理子さんのお店で見た、写真の女の子ー…
美術準備室に飾られていた、あの絵の女の子ー……
『………紗季…さん………?』
私がそう言葉にして発すると、紗季さんと思われる人はユックリとこちらに歩いてきた。