この恋、きみ色に染めたなら











『謝らないで?

 私には肇と過ごしてきた想い出がある、それに肇への想いもある。

 肇が他の女の子を好きになるのも、他の子と幸せになるのも辛いけど、でもそんな辛い心を温めてくれる想い出があるから…。

 だから、肇のことをあなたにお任せします。


 どうか、肇をいつまでも想っていてあげて?

 どうか、肇の傍に居てあげて?

 どうか、肇を……幸せにしてあげて?


 私が紗希さんを助けた貸しとして、紗希は肇とどうか、幸せな恋をしてください…。


 私の願いはそれだけです』







そう言って、ニッコリ微笑む紗季さんは先輩が描いた、あの絵の通りの優しい笑顔で、私の胸はズキンって痛んだ。









私はきっと、あなたのように自分より相手の幸せを願えるほど強い人間ではありません。



ライバルを助けてしまうような、心優しい女の子でもありません。









けれど、私はあなたに誓いますー……







私が、私の人生をかけて、一生、先輩のことを愛し続けます。





頑張って先輩を幸せに出来るようします。












ねぇ………先輩?




あなたが恋をした人より私は劣っているかもしれないけど。





それでも私は全力でまた先輩に恋がしたいー……








私、あなたのところに戻りたいよ……




























< 292 / 324 >

この作品をシェア

pagetop