この恋、きみ色に染めたなら







先輩の“好き”の言葉に、幽体の私の目から涙が零れた。





その涙が頬を濡らし、顎から床に落ちた瞬間、辺り一面が眩しい程の光に包まれた。










『………なに………?』







その眩しい光は私から視力を奪っていく。




あまりの眩しさに私が目を閉じているからか、それとも目を開けていても辺りを包む光が眩しすぎるためかは分からない。





けれど何も見えない私の耳に紗季さんの声だけが聞こえてくる。












『“戻りたい”って強く念じてみて。

 そうしたら、あなたの体にちゃんと戻れるから、念じてみて』









私は姿は見えないけれども、私にそう囁く紗季さんの言葉を信じて、強く強く“戻りたい”と念じた。











先輩のいる世界に。




先輩の声を一番近くに聞くことのできる世界に。



先輩に触れられる、温かい世界に。







戻って、私の体で、あなたにもう一度“好き”って言いたい。





ううんー…




言いたいじゃなくて、言うんだ!








ねぇ、先輩。

私が戻ったら、私の“好き”を聞いて?




私が戻ったら、もう一度“好き”って私に言って……?













ねぇ、先輩……





成田先輩のこと、大好きだよ…………
















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