この恋、きみ色に染めたなら








この言葉を私はどれだけ夢見てただろう…





この想いを聞くことをどれだけ願っただろう…






“どれくらい”なんて具体的なものは覚えてないけど。



きっと毎日、毎時、毎秒、こんな奇跡が起きるのを願ってたと思う。









想いが届かないと泣く日もあったし、どうして私は紗季さんじゃないんだって考えたこともある。





楽しいよりも、きっと苦しい、悲しい、悔しい、辛いの負の感情を抱くことが多い恋だったと思うけど。












それでも私はやっぱり幸せだと思うー…





それでも私はこの恋をして良かったと思うー……














『……もう…一回……言って………?』







私の言葉に先輩はクスッと笑って、








『俺は紗希を愛してるよ………』





そう、もう一度、言ってくれた。













この言葉を聞くためなら、



何度泣いてもかまわない。


何度傷ついてもかまわない。









この言葉を聞いたなら、



私はまたあなたに恋をするから。


あなたを好きになってしまうから。












こんな言葉を聞ける私はなんて幸せ者なんだろうー……






どうか、私の幸せな想いがあなたにも同じく届きますように。












『………先輩……私も…先輩のこと……愛してます………』












どうか、この言葉があなたを幸せにしてくれますように。













先輩、愛してるよ、世界中の誰よりもー……















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