この恋、きみ色に染めたなら






それからお父さんとお母さん、成田先輩と私たちは少しだけ会話を楽しんだ。







『そろそろお父さんとお母さんは帰るよ。

 お前がお父さんにやらなきゃいけないこと、沢山作ってくれたしな』




お父さんの言葉に私は首を傾げると、お父さんは私の頬をぺチンと軽く叩いた。









『お前の事故処理でお父さんはやることがいっぱいだよ』







………そっか。



私が信号無視の飛び出しで交通事故を起こしてしまったんだもんね……









『………ごめんなさい………お金とか沢山払わなきゃ……だよね……』







『お前は何も心配しなくていい。お前が無事だったんだからお父さんもお母さんも、それだけで頑張れるよ』




お父さんはそう言うと、先程軽く叩いた手をおでこに持っていき、私のおでこを撫でた。








久しぶりだな……



こんな風にお父さんにおでこを撫でられるのも……。









『………うん……ごめんなさい……ありがとう………』





私の謝罪とお礼にお父さんもお母さんも優しく微笑んで返してくれた。














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