この恋、きみ色に染めたなら







『……けど、そんな面倒な女を好きになったのは俺だし。

 


 一回しか言わねーからなッ!』







頬まで真っ赤にしている先輩が強い目で私を見つめる。




色気さえ感じる、その先輩の顔を私も見つめ、先輩の言葉を待つ。













『紗希……。お前を愛してる。

 お前のこと、絶対に幸せにするって約束する。


 だから、俺と付き合って下さい』











先輩の言葉に目頭が熱くなって、その熱が爆発したと同時に、私の目からは涙が流れていく。





そんな私を先輩は真面目な顔をしながら見ていて………












『……先輩のこと……大好き………。

 私も先輩を絶対に幸せにする、ずっと先輩の傍にいて、先輩だけを想い続けるって約束します…。

 だから……宜しくお願いします……』









やっと先輩から言われた。




やっと先輩の口から聞けた。






それだけで私は十分、幸せだよ。






でも欲張りな私はもっと、先輩と幸せになりたい。





先輩を幸せにしてみせるから、だから、ずっと一緒にいようね……先輩。














『ばーか。俺をこんなにも夢中にさせたんだ。

 責任とって、ずっと俺の傍にいろよ?』











『先輩こそ、私を先輩の虜にさせたんだから。

 私の傍にいてくださいよ?』









先輩の言葉に言い返す、私。





先輩も私もお互いの顔を見て微笑み合った。












口は悪いし、いつも上から目線だけど、それでも私の一番大好きな人。





願わくば、私と先輩の想いがずっと、いつまでも同じでありますように。
















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