この恋、きみ色に染めたなら
紗季さん、にも。
ちゃんと先輩と両想いになれたこと、先輩と付き合い始めたこと、報告しなきゃな。
早く報告と、それから助けてくれたお礼も言いたいけど。
紗季さんがどこで眠っているか分からないし、それに出来れば先輩と一緒に行きたいしな……
『な、紗希。
この展覧会、8月最後に観に来いよ?』
『……え…どうして指定なんですか?』
『ま、いいからいいから』
先輩はそう言って、窓から離れ、そして後片付けをし始めているお母さんの手伝いを始めた。
私も後をついて、先輩とお母さんの手伝いをし、手伝いが終わると同時に先輩は帰ってしまった。
『………8月最後。ってことは31日か。
でも夏休み最後に先輩の絵を見れたら、憂鬱な学校が始まるのも許せるかも♪』
楽しみ。
本当に楽しみだな。
先輩、どんな絵を描いたんだろう……。