この恋、きみ色に染めたなら
『せっかく一緒に来たのになー……』
私はブツブツと文句を言いながら、凪に言われた通りに真っ直ぐ歩いていく。
途中、私は沢山の絵を眺める。
いろんな絵があって、いろんな素敵な絵が壁に飾られていて、それぞれに味がでている。
『………素敵だなー……』
ポツリ呟いた、私の視界に一枚の絵が映るー……
『………え………………これ………』
思わず手で持っていた鞄を落としそうになる程、目の前に飾られた絵に驚いてしまった。
『……………私………?』
そこには一人の女の子が椅子に腰かけ、満面の笑みを見せている絵が飾られていて……
紛れもなく、その女の子は私だったー……
『………え………?』
その絵の下には表題と氏名が書かれていて、私はすぐに氏名を確認する。
『愛しい人…………成田…肇…………』
表題には、“愛しい人”と書かれていて、氏名と書かれた文字の横には“成田 肇”と書かれていた。
『…………先輩の絵………?
私を描いてくれたの……?』
自分を描かれたとは思えないほどに、素敵な笑顔を見せる私の絵ー…
『………すごい……すごい……綺麗………』
思わず、先輩の絵を見て、私の目から涙が零れる。