この恋、きみ色に染めたなら
『……先輩……これ………』
私が震えた声で先輩に話しかけると、先輩は私の唇を人差し指で塞ぐ。
『これは、紗希は俺のものって証。
それから、俺は紗希をずっと愛し続けるって、その指輪に誓う。
だから、紗希がずっとはめててくれると嬉しいんだけど』
紗希は俺のものって証……
俺は紗希をずっと愛し続けるって、指輪に誓うって……
そんなこと聞いたら、この指輪は死んでも外せないよ…
『……外せない……外したくないよ、先輩……』
先輩への隠しきれない想いが、
好き、大好きの想いが一気に込み上げてきて、
私はまた涙を流すー……
好き。好き。大好き。
そんな言葉じゃ、足りないくらい……先輩のこと、大好き!
『ばーか。んな可愛いこと、可愛い顔して言うなよな……』
先輩はそう言って、私の腕を掴み、自分の胸へと誘う。
先輩に抱きしめられた途端、先輩の心臓の音が聞こえてきて…
ちょっと速めのこの心臓の音を聞きながら私は幸せを感じていたー……