この恋、きみ色に染めたなら






『成田先輩!
 紗希と……紗希とはどういう関係なんですか!?』





私に痛い視線を送る女子の一人が先輩に問いかける。










『関係って何?
 どういう関係でもないけど、気になるなら紗希に聞いてみれば?』






先輩はそう言って、クスって意地悪そうに微笑んだ。






その返事に一斉に女子の視線が私に注がれる。











『ちょっと、紗希!
 どういうこと!』




誰かが問いかけた言葉を繰り返すように他の女子も問いかけてくる。







私は先輩の顔を見つめる。





“どうして余計なことを言うんですか!
 さらりとただ落とした生徒手帳を見て持ってきた”でいいじゃないですか!





心の中でそう先輩に叫ぶ、も、先輩には届かず…



先輩はただ面白うそうに微笑んでいた。









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