この恋、きみ色に染めたなら
『てかさ?』
微笑んでいた先輩が、突然怖い顔になって…。
そう私に痛いくらいの視線を向けている女子に声をかけた。
『この子は俺の大事な絵のモデルをお願いしてんの。
絵のモデルが笑えなくなると俺も非常に迷惑なわけ。
だからさ、どうでもいい感情で紗希を問い詰めたりしたら…』
先輩の言葉に、クラス中の全員が息を呑む。
もちろん、私も…
『殺すよ?』
最後の一言に、先輩はニコリと微笑んだけど。
氷の美男子、こと成田先輩の口元は笑っている、でも目元から感じる殺気がクラス全員を凍らせたー…
うん、この人は、絶対に“氷の美男子”だー…