この恋、きみ色に染めたなら




凪の叫びに、みんなの視線が私から凪の方へと移動する。







『凪、どういうこと?』






わわわわ!



私のせいで凪がみんなからの痛すぎるくらいの視線を浴びてる…




私のせいで凪がみんなからの問いかけに困ってるよ…










『あ、あの私…』


『この間、成田先輩と廊下でぶつかった時に…その…ちょうど先輩が絵のモデルを探してて、それで私が紗希を紹介したの!』







私の言葉を遮ると、凪はそう言った。











『なんで紗希?』





クラスの人達はみんな不思議がってたけど。




凪は一瞬目をぱちくりさせて、そして天を仰ぐ。








もしや…



もしや、ですが…





凪、突然の嘘を守り通すための次の言葉を考える前に、言った…?











『紗希が可愛いから!』





必死の叫びに、クラス中がその場で静かになった。












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