この恋、きみ色に染めたなら




『はぁ……紗希、あんたさ?
 一つだけ教えてあげる!

 うちの学校には三人の王子がいるって知ってるでしょ?』







凪の言う、三人の王子。




一人は三年の“氷の美男子”こと成田先輩。



もう一人が二年の“炎の美男子”こと山科先輩。




そして三人目が、一年の“遊の美男子”こと佐伯 比呂。



ちなみに最近振ってくれた元彼が一年の“遊の美男子”こと佐伯 比呂。





それぞれの学年に一人ずつ、極めて美しいと称される男子生徒がいるのだけれど…










『一年の“遊の美男子”こと比呂は元彼。
 二年の“炎の美男子”こと山科先輩は紗希のこと狙ってるって話!

 比呂と付き合うんで身を引いたらしいけど、比呂と別れたということを知れば、もしかしたら…』








段々と凪の顔がニヤケたものになっていくのを私は正面から見つめる。








そういえば…。


比呂と付き合いだす前に、一度だけ山科先輩から放課後一緒に帰らないか、と誘われたことがあったような…。









え、山科先輩に想われてたの!!?





うわ~~!!


私、そんなこと知らなかったよ…。







てか、その時はすでに比呂にしか気持ちがなくて先輩からのお誘いを断ったんだよね…。










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