この恋、きみ色に染めたなら
『結構有名な噂だよ、この話!
だから他の女子生徒からも注意人物って思われてるよ、紗希』
凪の言葉に、私は首を傾げる。
どうして私が注意人物にされてるの…?
『凪、私何も悪いことしてないと思うだんけど…。
どうして私が注意人物に思われてるの?』
私の問いかけに、深いため息を吐く凪。
そしてため息の後に口を開いた。
『一年の比呂を落とす。
二年の山科先輩にも想いを寄せられている。
これだけでも十分、他の女子生徒の反感を抱かせてると思うけど。
それに加えて三年の成田先輩まで落とされたら……って、みんな陰で不安になってるくらいなんだよ、実は!
だからみんな、さっきもすっごい動揺して、そんで紗希を睨みつけてたという訳!』
いやいや…
私、全然可愛くもないし、美人でもないから、その噂自体が間違っているものなのでは…。