この恋、きみ色に染めたなら
……その数分後。
制服のポケットに入れてある携帯が揺れ出す。
そっとポケットから携帯を取り出すと、凪からラインが入っていた。
“好きになったら教えてね!
その時はめっちゃ応援するし!”
凪からのメッセージに私はその場で“えぇ~!”と叫びそうになるのを必死で堪え、凪にラインを返した。
“私はモデルを依頼されただけ!
だから先輩と恋なんて始まる訳がありません!”
送ってすぐに、凪が携帯を確認しているようだった。
凪からどんな返事がくるかなんて知らないけど!
私と先輩は、絵のモデルとそれを描く人、っていう関係!
だから、恋なんて始まる訳がない!
“破れた恋には新しい恋で。
失った存在は新しい存在で。
恋とはそういうものである”
…なんて凪からラインが入ったけど。
始まる訳がない!