この恋、きみ色に染めたなら




『……す、好きですけど!?』






私が答えると、先輩は“だと思った”と笑っていた。






『………いけません…か……ケーキが好きで………』






『別にお前が甘いものが好きか苦手なんかどうでもいいんだけど。

 ただお前にすっげー美味しいケーキをご馳走してやるよ!』






先輩はそう言って、優しく笑いかけてくるから。




私はその先輩の笑みに、私の胸は不覚にもドキッとした。











『……なんで…先輩が私にケーキをご馳走してくれるんですか?』







『これ以上絵のモデルを依頼した件について聞いてこないことを約束させる為にってやつ?』









それって……賄賂、的な…??








『ばーか、ただのお礼だよ』






『……お礼?』






『紗希がモデルを引き受けてくれた、ことのお礼』







先輩はそう言って微笑むー…





だから、不覚にもその笑みに胸がドキッと鳴ってしまうー…






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